コラム
 

噛むと甘い!お米と甘味の関係とは?

「お米」といえば日本人の主食です。お米の歴史は古代の稲作から始まりましたが、いまや日本中で、さまざまなブランドのお米の生産が行われています。長期保存が可能で保存食に適しているお米は、江戸時代では年貢として納められていたほど貴重で特別なものでした。

炊きたてのふっくらとピカピカに光っているお米。
日本人なら誰でも大好きなのではないでしょうか?

「お米」の好みは人それぞれですが、今回は「お米と甘み」の関係についてお話ししたいと思います。

お米の甘味の正体は?

お米の栄養素といえば「炭水化物」です。炭水化物は人間にとって体を動かすエネルギーの基となっている栄養素。お米の成分のほとんどは炭水化物のでんぷんで出来ており、その含有量は約80%といわれています。それ以外にも、たんぱく質・カルシウム・鉄・亜鉛・ビタミンB1、B2・食物繊維と、いろいろな栄養素が含まれていています。

お米が長く愛されるワケは、その栄養価のためだけではありません。
ふっくらとした、なんとも言えない甘みも欠かせない、重要な要素です。
では、お米の甘味を出してくれる成分はどれにあたるのでしょうか?甘味の成分を見てもどれも当てはまらない気がします。

答えを先に言ってしまうと、実は「でんぷん」です。
小学生の頃、理科の授業でジャガイモのでんぷんについて勉強した記憶がある方も多いと思いますが、そのでんぷんこそ、お米の甘味なんですね。

ただでんぷんは、そのままの状態だと味に何の変化もありません。栄養素としても役不足のままです。でんぷんとしておいしく、さらにエネルギーとしての役割を果たすためには、「分解」されなければなりません。

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噛めば噛むほど

子供の頃、お米を食べるときに「よく噛みなさい」と言われた覚えがありませんか?実はここにお米の甘味と体に優しいヒントが隠されているのです。お米を口の中に入れ、よく噛んでいくと唾液がじわじわと出る感じがしますね?

そして噛めば噛むほどお米の甘味が引き出され、さらに唾液の出もよくなり、口の中は美味しいお米の甘味でいっぱいになります。実は口の中でお米を噛み続けると、唾液に含まれるアミラーゼという消化酵素がでんぷんの消化活動を助け、分解していきます。

でんぷんが分解されるとマルトースという甘味成分に変化します。マルトースは麦芽糖ともいい、水あめの主成分としても使用されています。甘味としてはお砂糖より薄味ですが、お米の甘さがお砂糖に近い変化を起こすわけなんですね。よく噛むことでお米が甘くなり、消化酵素によって胃腸への負担も少なくなるので、よく噛むことは健康で美味しくお米を食べる秘訣なのです。

よく噛んで食べる

お米の甘味と唾液のコラボ

お米の甘味は、人間の唾液から出る消化酵素によるところが大きいワケですが、それはまさにお米と唾液のコラボレーションです!
お米が口の中でより甘味を増す過程を楽しみながら、よく噛んで体への健康にもつながっていくんですね。

お米をよく噛むことのメリットは、甘さを引き出すだけではありません。唾液によって虫歯の元、ミュータンス菌がつくられる酸を薄める効果があると言われています。また、唾液の成分が口の中全体を保護し、雑菌が繁殖しにくい清潔な口内の環境を維持できるのだそう。
お米をおいしく食べ、さらに健康になれるなんて言ことなしですね。

毎日、毎食食べてもおいしいお米。
1年中食べ続けても飽きることのないお米のおいしさの秘密のひとつが、「でんぷん」と「噛むこと」だったのです。

さあ、すでに今の時点でたくさんの唾液が出ていませんか?
今夜は炊きたてのホカホカご飯で決まりです!
ぜひ、お米と唾液の関係を夕ごはんで実験してみてくださいね。